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2021-08-08

守屋有紗のRoad to Ocean Sailor vol.9【ファストネットレースに向けて~準備・回航・レースヴィレッジ~】

守屋有紗のRoad to Ocean Sailor

こんにちは、守屋有紗です。

今回は、8/8からのファストネットレースに向けての準備と回航、レースヴィレッジでの様子をお送りしたいと思います。

是非ご覧ください。


7/20(火)

トレーニング中に問題のあった、オートパイロットやシステム関係の確認のため、業者さんに来てもらいました。

トレーニング中に問題のあった、オートパイロットやシステム関係の確認のため、業者さんに来てもらいました。

水力発電機も確認します。

水力発電機も確認

ダイバーさんにも来てもらい、キール等に問題がないか確認。

オートパイロットリモコンの接続についてレクチャーを受けます。

午後には、北田さんの長年の友達、アンナと一緒にセーリングをしました。

左からアンナ、守屋、北田さん

かわいい船とすれ違いました

アンナに特訓をしてもらいます

ジェネカー、ステイスル、ジブでの練習をそれぞれしました。

ジブでは、ソロを想定して、1人でタックする練習を何度も繰り返しました。オートパイロットも使わず、1人で20回以上連続でタック練習したのではないかなと思います。アンナのスパルタ(?)指導の下、とても良い練習ができました。

アンナはドイツ出身で、弁護士をしていましたが27歳の時にセーリングをするために仕事を辞めたとのこと。Class40でセーラーとして活躍後、今はまた弁護士の仕事をしているそう。

自分と重なる点も多く、彼女と話していると、自分の今後の生き方を考える上でも、とても良い刺激をもらえました。

7/21(水)

この日は整備と練習をしました。

タック時にシートがマストのウインチにかかってしまうため、対策を考えます。

セーリングへ。段々と風が落ちていきました。

船上で怪しい人を発見(笑)

ハーバーのカフェは、とても綺麗な景色です。

面白い船。ちゃんと動くようです。

北田さんと貴帆

アムリにマストに登ってもらって、整備をします。

7/22(木)-7/28(水)

その後はファストネットレースに向け、整備や積み込み備品のチェックをしていきました。

ここにいると、ヨットを道路上で見かけることも少なくありません。

様々な箇所を点検していきます。

衛星電話やシステムの勉強もします。

レース中はバッテリーについても常に考慮する必要があるとのこと

造船所の方に来てもらって整備

7/29(木)

整備後、隣街ラ・トリニテ(La Trinité)のハーバーへ見学に行きました。ロリアンから車で30分ほど。

Class40もたくさんです。

同じクラスでも、世代によって多くの違いがあることが分かり、とても面白かったです。

ビッグボートも迫力満点

こんなに近距離に大きなハーバーがいくつもあることに、また衝撃を受けました。

7/30(金)

ファストネットレースのメンバーの1人、ヴァンサンと合流しました。

ヴァンサンは生まれてすぐからセーリングを始め、8歳の時には家族で大西洋を一周をしたとのこと。ディンギーやフォイリング艇、フィガロでのレース経験も多数あり、今はImoca60のチームで働いています。すごい経験です。

ヴァンサン

この日は艇のチェックと細かな整備をしました。

7/31(土)

練習です。15kt前後の風が吹き、とても良い練習になりました。

ごきげんなパトリシア

8/1(木)

いよいよ、ファストネットレース前の係留地、シェルブール(Cherbourg)に向けて回航の日です。

ジュロームも合流して、4人で回航をします。

約270マイルの回航です。

潮の流れを考えながらのルーティングは、とても良い練習になりました。

2人ずつに分かれ、3時間毎のワッチです。

ワッチ交代のリズムにも、随分と慣れてきた気がします。

今回は4人と人が多いので、一人でワッチをしないといけないダブルハンドの時よりも、安心感もありました。

ただ、練習のため、一人しかいないという気持ちでワッチをします。

ジブ、A2、ミディアムスピンを上げて、練習です。

ブルターニュの沿岸にある、有名な灯台や島も通りました。

夜のワッチ

爆睡中。また盗撮されてます(笑)

明け方、7時頃、シェルブール(Cherbourg)へ到着。

2日目に風がしっかり吹いたこともあり、合計40時間程で着きました。

フランスに来る前は、300マイルと聞くととても長い距離で、怖いという感覚でしたが、終わってみると、もっと乗っていたかったと思うくらいあっという間でした。

シェルブールのハーバーにも多くのヨットがあります。

貴帆も無事係留

到着して記念撮影
オイルスキンやブーツを乾かします

いよいよレースの日が近づいてきました。

ここで最後の準備をして、レース本番に臨みます。

マナさんとパトリシアも合流
エントリー等
大会本部

Rolex Fastnet Raceは、約400艇、3000人が参加するという世界最大級の外洋レース。

こんな大きなレースに出られることに、とても楽しみな気持ちが大きいです。

今はレース前でドタバタとしてしまっていますが、レース後にまたゆっくりと振り返りをしたいと思います。

それでは頑張ってきます!

貴帆チームで記念撮影

守屋有紗(もりや ありさ)

1996年生まれ   
大阪府大阪市在住

【活動記録】

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【ヨット歴】
2014年
〜2019年
神戸大学オフショアセーリング部に所属
部活所有艇(J/24、Y31S、X442、Y26C)で練習、整備、大会出場を重ねる。
2014年
〜現在
関西ヨットクラブのセーリングチーム τDraconis (タウドラコニス)に所属
XP44、Rogers46、Melges32で練習、整備、大会出場中。2020年からはチームのマネジメント業務も行う。
2015年全日本学生外洋ヨット選手権 優勝(Y31S、ピットマン)
Student Yachting World Cup 2015 6位
(フランス・ラロッシェル、J/80、バウマン)
2016年第57回パールレース 出場(XP44、ピットマン)
2017年全日本学生外洋ヨット選手権 優勝(Y31S、タクティシャン)
4th Pan-Pacific University Invitational Regatta  7位、コースタルレース1位
(中国・深圳、DC22、ヘルムスマン)
Student Yachting World Cup 2017 優勝
(フランス・マルセイユ、GRAND SURPRISE、タクティシャン)
2018年EDHEC Sailing Cup 2018 9位
(フランス・ブレスト、J/80、タクティシャン)
2020年
〜現在
Y31Sの共同オーナーになり、練習、整備、レース活動を行っている。
2021年ROLEX Fastnet Race 18位
2022年第63回パールレース(τDraconis (タウドラコニス)ラインオナー賞 クラス10位
2023年初島ダブルハンドレース(INDICUMコスキッパー)
2024年ROLEX SYDNEY HOBART RACE
大学の新歓で初めてヨットに乗り、ヨットの風を切る心地良さとチーム競技の楽しさに惹かれてクルーザーヨットを始める。
一般企業に就職後も、休日に社会人チームにて活動を続けていたが、より本格的にヨットの勉強をするため、渡仏を決意。
現在はJOSAチャレンジ会員として、フランス・ロリアンにて活動中。

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守屋有紗のRoad to Ocean Sailor

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