【第61回小網代カップレース】実行委員会運営記 文:高木 信之氏
みなさん、こんにちは!
JOSA会員の皆様も参戦された小網代カップレースが2023年11月4日(土)に開催されました。
(レース公式掲示板はこちら、参加艇情報・レースリザルトをご参照いただけます)
実行委員長の高木信之氏よりレポートをご寄稿いただきましたのでご紹介いたします。
レースを支える実行委員会運営記です!!
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【第61回小網代カップレース】実行委員会運営記
文:高木信之
写真:関根照久
【小網代カップレースとは】
小網代カップレースは、1955年に創立された小網代ヨットクラブのメンバーが中心となって毎年11月に開催する外洋レースで、神奈川県三浦半島の小網代沖をスタートして伊豆大島を時計回りに一周する約68マイルのコースで行われます。その歴史は長く、今大会で61回目を迎えました。開催時期の11月初旬の天候は比較的安定しているものの、大島の周辺は黒潮の分流によって複雑な海流があり、時計回りのコースはその流れに逆らって走る難しさがあります。一方、相模湾は自然の美しさに富んでおり、その壮大な景色を楽しむことができるレースでもあります。
【第61回小網代カップレース実行委員会】
参加艇が”外洋特別規定モノハル・カテゴリー3″の準備に要する時間と十分なプロモーション期間の確保を考慮して、8月の公示掲載をターゲットに準備を開始。
必要なタスクは各ステアリングコミッティメンバーに割り当て、月1回のWEBミーティングとSNSグループチャットを活用して進捗を確認し、効率的に準備を進めました。
外洋レースへの参加艇が減少する中、OSRカテ3の装備を持つ艇のリストを基にステアリングコミッティメンバーが手分けをして声をかけ、20艇の参加を募りました。
スケジュール
6月;ステアリングコミッティメンバーのアサイン
7月:公示の準備
8月:公式掲示板の公開
9月:エントリーの受付開始
10月:帆走指示書の公開
11月:レース本番
ステアリングコミッティメンバー
大会委員長:飯島洋一 (三浦外洋セーリングクラブ会長)
実行委員長:高木信之 (三浦外洋セーリングクラブ 小網代フリートキャプテン)
レース委員長:荒嶋 宗徳 (三浦外洋セーリングクラブ レース委員長)
プロテスト委員長:五十嵐光 (小網代ヨットクラブ会長)
レース本部:野村 政司 (小網代ヨットクラブ理事)
広報担当:鈴木綾 (三浦外洋セーリングクラブ 計測委員)
【ダブルハンドクラスの新設】
外洋レースは冒険的な要素があり、技術力、勘、経験、艇の信頼性がますます重要になります。関東海域には豊富な経験を持つセーラーが多い一方で、その力を試す場が不足していると感じ、ダブルハンドクラスの導入を考えました。夜間の航行は危険が伴いますが、小網代カップは海象的にも距離的にも土日で完結する唯一のレースであり、慎重さを保つために天候によってはダブルハンドクラスのみ中止とすることを決定しました。今回、3艇がエントリーし、1艇がリタイアしましたが、その決断に敬意を表します。また、kazi01月号(2023年12月5日発売)にダブルハンドクラス優勝艇[Zipang(TSUBOI IMS1030MOD)]のダブルハンド参戦記が掲載されます。ぜひご覧ください。
【レース概況】
開催日程:2023年11月4日(土) 10:30 スタート/ファーストホーム 21:13 、最終艇フィニッシュ 05:29
参加艇数: 全20艇 IRCクラス16艇、IRCダブルハンドクラス3艇、ORCクラス 7艇
成績:First Home:LuckyLadyX (K36-SAMURAI)、IRC総合:propaganda (A-35)、IRC-A:LADY KANON(J130)、IRC-B:propaganda (A-35)、ORC:GRANDBLUE (X-35ODmod)、IRC-DH:Zipang(TSUBOI IMS1030MOD)
スタート時の海象は 快晴、気温24℃、風向220°、風速18kt、波0.5m。昨年とは逆のアップウィンドスタート。スターボードタック1本で大島を目指すと思われた。しかし、風向こそ安定しているものの西からの強い潮に流され艇団は、かなり東寄りから大島にアプローチすることとなった。タックを返して大島に向かうも、大半の艇が北西に進んでいて相当苦労している模様。その中でHanamizukiが絶妙のコース取りで竜王崎を16:06にトップ回航した。続いて各艇も苦労の末に回航したが、これまた西からの強い潮によって千波崎まで更なる困難が続いた様子。トップ艇団が1時間半かかってようやく千波崎に到達し18時過ぎに風早から出てきた。風向は変わらず230°で安定しているが、三崎に近づくにつれて風速が落ちていく様子が伺える。20:19にコミッティスタッフ待望のフィニッシュ1時間前コールが入り、おでん隊が始動。この頃、陸の気温は23℃。名物の差し入れは熱燗ではなく、ビールか!? 緩い南風の中、LuckyLadyXがトップフィニッシュ。その後、IRC-Aクラスの大型艇が続くが、風が回り始め、22時半には風向は0°となった。(これで熱燗が喜ばれると安堵した) IRC-Bクラス艇が23時から1時にかけてフィニッシュ。ここから最後の1艇を待つこと4時間、5:09に最後尾艇がフィニッシュし、レースは無事に終了した。フィニッシュタイムだけを振り返えれば、昨年一昨年の海象が出来すぎ。これが従来の小網代カップなのでしょう。
【おでん・熱燗サービス】
小網代カップの代名詞となっている、おでん・熱燗の海上デリバリーサービスの起源は第1回大会の豚汁でした。シーボニアマリーナの建設中に、工事中の護岸でとんかつ屋を営むオーナーが豚汁を提供し始め、これが始まりとなりました。現在では20艇150名分のおでん・熱燗を熱々の状態で提供するノウハウとチームワークが、ホストクラブとしての誇りとなっています。
2024/11/07
【World Sailing 認定】サバイバル・メディカルトレーニング の新規&更新講習を2025年1月に開催します。2024/09/06
【World Sailing 認定】サバイバルトレーニング OSR 6.02, 医療トレーニング OSR 6.05臨時開催案内2024/03/17
JAPAN INTERNATIONAL BOAT SHOW 2024出展2024/01/28
小笠原レース「船上のリアル」Part 32024/01/27
小笠原レース「船上のリアル」Part 2