「Monday Night」とのコラボ
このたび、JORAの国内体験艇として、国内に多分唯一の存在であろうClass40「Monday Night(マンデーナイト)」と提携する事になりました。
「Monday Night」は、日本国内でのロングレースに長い間参戦し続けているチーム。
このチームを率いるのは、岡田清春氏と井上卓郎氏の両オーナーです。
岡田氏は滋賀県高島市にて、小児科医院を開業されている小児科の専門医でありながら、
火傷の治療においても特別な技術を持つドクターです。
井上氏は、医療法人社団 昴会湖東記念病院にお勤めの、脳外科のスーパードクターです。
岡田氏・井上氏がオーナーを務めるMonday Nightチームが、このたび、国内のJORA体験艇としてコラボレーションすることになりました!
そして、今年8月、
JORAの活動でClass40艇「貴帆」が『Rolex Fastnet Race 』に参戦するにあたり、今回のコラボレーションの一環として、両オーナーより推薦のあった”Monday Night”クルーである中西満男氏が「貴帆」に乗ることとなりました。
その中西氏より、『Rolex Fastnet Race 』のコメントが届きましたので、お伝えいたします!
2017 Rolex Fastnet Race 回想記
ロレックス・ファストネット・レースは、1925年から始まり、現在は2年に1度開催され、オーシャンレースでは欠かせない大会として世界的にその地位を確立している。608マイル(約1,120km)のコースで競われるこのレースは、激しい潮流、急変する天候を乗り切るための操船技術とコース上の作戦が試され、レース艇は、イギリス南端のワイト島カウズのロイヤル・ヨット・スコードロンをスタートし、ソレント海峡を下り、大西洋へ、荒れることが多いケルト海を横断し、アイルランド南西沖のファストネット岩礁を折り返して戻り、イギリス南西部のプリマスでフィニシュする。
6月初旬、このヨーロッパ最古?のオーシャンレースとして名高いファストネットレースに参加しないかと貴帆オーナー(JORA代表理事)の北田さんからお声をかけて頂いた際、全く予期していなかったお誘いに「まさか!!本当に!!」あまりの嬉しさでしばらく恍惚状態であったことを思い出します。
その後、サラリーマンである私は会社のメンバーとレース参加に向けてやや強硬的に調整しながら、8月の盆休み含めた2週間の休暇を得て、8月2日関空発でヨーロッパへ向かう。
ごめんね、会社のみんな・・・
初のヨーロッパ、
英語もフランス語も出来ません・・・
日本からフランスまでの20時間、片言の・・というか単語だけの適当英語とゼスチャーで何とかパリシャルル・ド・ゴール空港に到着。JORAの通訳スタッフであるPatriziaさんと無事に合流した時は本当にホッとしました。
ヨーロッパに来た!という余韻も無いまま、急いで空港からタクシー、電車に乗り継ぎシェルブールへ向かい、ロリアンから回航してきた北田さんとレース参加メンバーに合流。夜、メンバー全員での夕食時に初対面の方々と懇親を深めた。初対面だけど何故か以前からの知り合いのような雰囲気で居心地よく感じながら早々と爆睡。
翌朝(8月4日)
スタート地であるイギリスへ向かう。回航しながら貴帆の艤装や使用方法を確認、舵(ティラー)を少しでも長く持って貴帆とも懇親を図る。やっぱり舵(ティラー)を持つと船の性格が分かります。1日のトレーニングを経てイギリスのワイト島カウズに到着。
港に入港すると多種多様のレース艇だらけ。また、当日はカウズウィークと呼ばれるレースと重なり日本では絶対に見ることがないような状態で町全体がお祭り騒ぎ。
テンションが上がる!!
カウズの様子
夜、全員で夕食を終え、船中泊メンバーのJeanさん(貴帆コーチ)と志賀君(レ・サーブルレース出場、Mini Transatチャレンジャー)と更に意思疎通を図るため、町中のイベント会場、数件のBARを飲み歩く、ここでJeanさんとの共通語が生まれ、最後の最後まで互いに使うことに。
「かわいい」→「Kawaii」、「かわいいね」→「kawaiine」、美味しくない食べ物を口に含みながら「NO!kawaiine」と伝えてくるJeanさん、志賀君と大笑いしながら何時か分からないくらいに飲み歩き、十分に意思疎通を図ることが出来た。
・・・飲んでばかりではありません。
翌日(8月5日)は、レーススタートに向けて準備、最終チェックを行い、早い時間に就寝。
いよいよレース当日(8月6日)。
レース海面は、VOLVO Ocean65、IMOCA、トリマランなどのビッグボート、IRCクラス、そしてCLASS40、約三百数十艇ものヨットがソレント海峡のスタート地点に揃う。スタート海面には見渡す限りヨット、ヨット、ヨット、こんな光景は二度と見れないなと感じつつ、11時10分に我々CLASS40クラススタート。
スタートは、オーシャンヨットレースの大先輩である児玉さん(現JORA理事)が舵を握り、ジャストスタートでラインを切るその時、左舷ギリギリに真っ黒でデカい船体が見える。
ヴァンデ・グローブに参加していた有名なhugo Bossだ!
思わず「なんやねん!」と大阪弁が出る。下から突き上がってくる。でかい!!そんな突き上がって来なくても。。。
艇速を落とされてしまった間にスタートの大砲が鳴る。
気を取り直してトリム、トリム。
風はTWD220〜230、10kt〜12kt。
はい!上り(クローズ)です。
ソレント海峡の狭いところをタック、タックと繰り返す。潮の流れが向かい潮で無く助かった。幾度ものタックを繰り返し、漸くワイト島出口から大西洋へ。繰り返すタックとリーフ作業。ファストネットロックまでずっと上り(クローズ)。
しかし、猛烈に風が上がることも無く、穏やかな満月の夜の海を走る。心地よいセーリング。
8月9日に日付が変わった深夜にファストネットロックを折り返す。
ファストネット回航後のダウンウィンドでは風も上がりスピンでカッ飛ぶ。
後方からのやや高めの波にサーフィング、スピードが上げる度にキールがF1マシンのように唸り、自己最速の21?ノットを出す。
最高のセーリング!!
あっという間にゴール近海まで来る。
そして、8月9日現地時間22:18(日本時間:6:19)
満月とプリマス伝統の打ち上げ花火に出迎えられてフィニッシュした。【CLASS40 26艇中(内リタイヤ2艇)12位】
プリマスに着くとJORAスタッフの清水さん、Patriziaさんが出迎えてくれた。
桟橋で冷えたビールを頂く、めっちゃうまい!!!本当に最高の気分!!直ぐに下船準備をし、タクシーボートに乗り込んでクルーバーへ行き暖かい食事と酒で乾杯。
8月10日に船の片付けを行い、
8月11日、ホームポートであるフランス・ロリアンへ。
北田さん、児玉さんとは一時プリマスで別れ、Jeanさんと志賀君と三人でロリアンへ回航。
8月12日ロリアンに到着。
ロリアンでも町中でイベントがあり、行く先々でお祭りを堪能した。
翌日からの「貴帆」の後片付けと清掃を終え、あっと言う間の2週間のレース滞在が終了した。
今は、歴史あるレースに参加出来たことに感慨深い気持ちで一杯です。
JORAとMonday Nightとの提携によりこのような機会を頂いたこと、そして、ご推薦くださったMonday Nightの岡田氏、井上氏お二人に、心より感謝申し上げます。
また、一緒にレースに出場致しました児玉さん、北田さん、志賀君、そしてジャンコーチ。
本当にありがとうございました。
レース期間中に現地での通訳、宿泊、食事、移動などの様々なサポートをして頂いた清水さん、Patriziaさん、本当に本当にお世話になりました。
今回のJORAの企画、運営を肌で感じ、今後も微力ながらも是非ご協力させていただきたいと強く感じています。
私がクルーとして乗船させていただいていているマンデーナイトチームは、貴帆と同じCLASS40というヨットです。
これからのJORA活動の橋頭堡となればと思います。
これからも宜しくお願い致します。
皆様、本当にありがとうございました。
中西 満男
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