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  • PIERRE-YVES LAUTROU
  • Pierre-Yves LAUTROU
    ピエーリィヴ・ロトゥルー

    2015年7月まで、「L’Express」にてヨット、また政治、経済報道の記者を15年間勤める。
    同時に10年間におよび、ブログ「Au Large」を執筆。
    自身も数年にわたりmini6.5を走らせ、2010年はMini-Transat に参戦。
    Class40では2014年のRoute du Rhumに出場した。
    2015年11月、アキセル・キャプロン氏と「Tip&Shaft」を共同創立。

2017年10月11日 

なぜIMOCAはVOLVOに対する不一致を表明したのか

今から2週間前にこの情報は予想しない形で発表されたが、これによる反応はあまり目立たなかった。Défit Azimut(不定期開催される、Imocaクラスとロリアンの企業Azimutの外洋レースに関する会議)とは別に、Imocaクラスの中での改革を話し合う円卓会議の最中、今年よりImoca協会の代表を務めるAntoine Mermod(アントワン・メルモ)はImoca協会がVolvo Ocean Raceの未来の Super60 とImoca規格間での不一致の決定を下したことを発表した。同円卓会議にて、Guillaume Verdier(ギヨーム・ヴェルディエー)チームのVORプロジェクトデザインを担当する Hervé Penfornis(エルヴェ・ペンフォーニ)は、何よりまずImoca寄りの図案を引いていたことをとても明確に認めた。

読者への参考のために、Volvo Ocean Raceの未来のモノタイプはキール/ラダー/センターボード(水中で船をコントロールする部位)と艤装の変更をした上でImocaのレースに参加しなくてはいけなかった。 これはVOR (Volvo Ocean Race)の社長 Mark Turner(マーク・ターナー)(以降に辞職)によってもたらされた提案であり、ヨーテボリにて5月中旬に公式発表された。目的を−アングロサクソンのフルクルーの世界と、フランスはソロの世界、これら二つの世界を近づけるためとし、特には船の減価償却を効率化しチームとスポンサーを引き付けるためであった。

なぜこのImocaのポジションなのだろう?私たちがAntoine Mermodに質問したところ、Imoca協会がVolvo Ocean RaceのImocaクラス加入、この件に対する『Imocaではない60フィートがImocaになれるための可能性』という問いに対し、協議されたことを認めた。『9月11日に重役会が行われ、この二つの提案が出席者の全員一致で否決された』、重役メンバー8人中7人の反対であったとAntoine Mermodは明言した。

Volvo Ocean Raceの提案を退けるためのImoca協会の理由は比較的単純である。Imocaクラスの主要イベントであるVendée Globe とBarcelona World RaceがImoca会員のたった2つのレース、という事実は言うまでもない。 『私たちの目的は、私たち資産価値形態における船の資産価値の調和維持に努めることだ。チームは船のオーナーであり、船の減価償却は非常に長い期間に及ぶ、8艇のVolvo 60のImocaクラスへの加入の可能性は私たちの資産価値を不安定にしかねなかった。』と、Antoine Mermodはまとめた。 全くその通りで『その他のClasseが彼らの船を守っているように、私たちImocaクラスは船のオーナーで構成されており、私たちの船は私たちの資産である。これは意見ではなく現実だ。』とImoca代表のAntoine Mermodは答えた。

Imocaによって進められたもう一つの議論は、以降開催予定の2つのVendée Globeの間にレースの価値を増大させるための検討だ。次回2020年開催Vendée Globe参加艇はすでにほぼ満席だ。『私たちは ワンショットの計画や意外なたなぼた効果に興味はないし、望まない』とAntoine Mermodは強調した。

Mark Turnerの辞職とともに、この討論はその熱を失ったままである。
Volvo Super 60の移り気(態度未決定に対する課題)は明らかにVolvo Ocean Race理事会の優先課題にはしていられない。新たなCEOを採用しながらも、次回の開催日程を決め、それからVolvo Super60の未来を決めなくてはいけないのだ…

アリカンテ(スペイン ※Volvo Ocean Raceスタート地)側では、新しいモノタイプ(Volvo Super 60)のImocaへ適合性より、どちらかというとVolvo Super 60でImocaのレースに出れることが好都合だというのが争点の中心となっていた。私たちの情報によると、複数のグループがこの好機に関心を抱いていた。


                                 
先4月に行われたImoca総会での少し波乱を帯びた理事たちの選出から、Vincent Riou(ヴァンサン・リュー)、 Jean Le Cam(ジャン・ル・カン) Luc Talbourdet(リュック・タルブーデ)の辞職以降、3ポストが欠員のままであった。今年よりLouis Burton(ルイ・ヴュートン)、Isabelle Joschke(イザベル・ジョッシュク) Charles Euverte(シャール・ウベート)が新会員として認められた。